
江戸っ子1号は、超深海において、未知の魚類の発見を大きな目標としていますので、撮影した魚類が、何であるかの同定ができることも大きな要求項目です。一般に、魚類は真上から見ると、同じような形をしていて、同定が難しいものです。水族館でも、魚は横から見るように設計され、真上からあるいは真下から見ることはあまりありません。
今回、3Dのビデオカメラによって、魚類を撮影するにあたり、どのような方向から撮影するのがよいか調べるため、水族館の水槽内で、魚類をいくつかの角度で撮影して、どのような角度で撮影すればよいか、検討を行いました。
実験場所の水族館は、湘南にある新江ノ島水族館です。新江ノ島水族館は、深海生物の長期飼育技術の開発に関する研究や、この夏にはしんかい2000の展示を行うなど、海洋研究開発機構との連携も古く、共同研究先の海洋研究開発機構の研究員の方の紹介で、水槽の中で実験を行うことができました。
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魚類の撮影は、ビデオカメラをガラス球内に固定し、カバーをかけて、脚のついたフレームに固定したのち、浮力を打ち消すための錘をつけたものを用い、浅い海を模擬した水槽で、真上からの撮影(90度)、少し傾けたもの(60度)、半分傾けたもの(45度)、かなり傾けたもの(30度)及び横に倒したもの(0度)という条件を設定しました。
ビデオカメラは、ソニー製の3DデジタルHDビデオカメラレコーダー HDR-TD20V。ガラス球カバーは、バキュームモールド工業が作成した真空成型の試作品です。
(※ それぞれの写真はクリックすると大きく表示されます。)
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この結果、45度から30度程度の傾きが、もっともよいという結論に達しました。
実験は、水族館の閉館後、17時から21時ごろにかけて行い、ダイバーを始め、多くの館員の方のご協力を得ております。
ここに皆様のご協力を感謝いたします。